ムッシュー・テスト (文庫)
出版社/著者からの内容紹介
若き日の内的危機から構想された「ムッシュー・テストと劇場で」.作者の分身エドモン・テストを巡る思索は生前,手紙・日記など5篇刊行されたが,特異な連作小説は生涯書きつがれた.瞬間の思考をいかに捉え,分析し記述するか.自己と向き合う鏡の如き装置=小説を通じて強靱な頭脳は何をなしたか.唯一の小説集を決定版新訳で.
モーパッサン短篇選 (文庫)
出版社/著者からの内容紹介
鋭い観察力に支えられた,的確で抑制のきいた描写,結末の何とも言えない余韻.師フローベールの教えを受け,モーパッサン(1850-1893)は19世紀フランス文学を代表する短編小説の名手となった.その300篇以上にも及ぶ短篇作品の中から,「ジュール伯父さん」「首飾り」など,厳選に厳選を重ねた15篇を収録した.新訳.
内容(「BOOK」データベースより)
鋭い観察力に支えられた、的確で抑制のきいた描写、余韻をたたえた味わい深い結末。モーパッサン(一八五〇‐一八九三)は、十九世紀フランス文学を代表する短篇小説の名手で、実に三百篇以上にも及ぶ短篇を書いた。その数ある作品の中から厳選に厳選を重ねた十五篇を収録。新訳。
ちいさな曲芸師バーナビー (単行本)
内容(「BOOK」データベースより)
ずっと昔、もう何百年も前のことですが、旅から旅へと曲芸をして歩くバーナビーという名の少年がいました。ヨーロッパ中世、芸をしながらフランス中をさすらった少年の物語。「聖母マリアの曲芸師」を題材とした絵本。
内容(「MARC」データベースより)
何百年もの間人々に語りつがれてきた「聖母マリアの曲芸師」の伝説を、新たな視点から解釈し、そこに宝石のような美しい絵を添える。ヨーロッパ中世の人びとのいきいきとした様子を描く。
813の謎 怪盗ルパン 文庫版第6巻 (単行本)
内容(「BOOK」データベースより)
ダイヤモンド王といわれるケッセルバックが、心臓を短剣でつらぬかれて死亡した。シャツの胸もとに、アルセーヌ・ルパンの名刺がピンでとめられていた…。「いや、ルパンが殺人をおかすわけがない」と、ベテラン刑事ルノルマンが立ちあがる。謎の数字「813」、そして正体不明の王子ピエールをめぐって、くりかえされるおそろしい犯罪。そのさきに、おどろくべき真実が待ちうけている。
闘争領域の拡大 (単行本)
内容(「BOOK」データベースより)
闘争領域。それはこの世界、自由という名のもとに繰り広げられる資本主義世界。勝者にとっては快楽と喜びが生まれる天国、敗者にとってはすべて苦しみ、容赦ない攻撃が続くシビアな世界。日々、勝者か敗者かの人生が揺れている微妙な三十男の「僕」と、生まれついての容姿のせいで女に見放されている、完全な敗者のティスラン。彼らにとって人生は苦々しく、欲望はときに拷問となる。そんなふたりが出会ったとき、奇妙で哀しい、愛と人生の物語が生まれる―。現代フランス文壇で類を見ない才能を放つウエルベックの、若き哲学が爆発した初期の傑作小説。
内容(「MARC」データベースより)
人生は長い苦しみだ…。現代フランス文壇の寵児ウエルベック誕生のきっかけとなった、伝説的な処女小説。シビアな資本主義の日常で繰り広げられる、三十男ふたりの哀しくも残酷な愛の闘争に、エロスと哲学がはじけ飛ぶ。
アラーの神にもいわれはない―ある西アフリカ少年兵の物語 (単行本)
内容(「BOOK」データベースより)
リベリア・シエラレオネ内戦の惨劇、チャイルド・ソルジャーの生きる痛ましい現実を闘うグリオが破格の文体をもって告発する2000年度ルノドー賞、高校生のゴンクール賞受賞作。
内容(「MARC」データベースより)
冷戦後アフリカの最悪の紛争、リベリア・シエラレオネ両国の内戦の惨劇、チャイルドソルジャーの生きる痛ましい現実を、闘うグリオが破格の文体をもって告発する。2000年ルノドー賞、高校生のゴンクール受賞作。
失われた時を求めて〈2〉第一篇 スワン家の方へ〈2〉 (文庫)
出版社 / 著者からの内容紹介
人生の深淵、官能の極み??世界文学の記念碑。
ある冬の日に紅茶にひたしたマドレーヌとともに、「無意志的記憶」によって蘇る全コンブレー(第一巻)。語り手が生まれる前後に起こったスワンとオデットの恋、その娘への語り手の恋(第二巻)。
内容(「BOOK」データベースより)
語り手が生まれる前後に起こったスワンの恋の物語。ブルジョワ階級のヴェルデュラン夫人のサロンが舞台。スワンは、高級娼婦オデットに関心を持ち、彼女の通うこのサロンにやってくるようになる。やがて二人のあいだに好意が目ざめ、スワンはオデットを通して、恋の喜びや嫉妬を経験する(第一篇第二部)。二人は結婚し、ジルベルトという娘が生まれている。語り手はシャンゼリゼ公園の遊び仲間として彼女を知り、夢中で幼い恋をささげる(第一篇第三部)。
O嬢の物語 (新書)
内容(「BOOK」データベースより)
恋人のルネによってロワッシイの館に囚われの身となった「O嬢」は、複数の男たちによって鞭打たれ、鎖に繋がれ、次々と辱めを受け弄ばれる。その背徳の日々の中で「O嬢」は、隷属し男の所有物となることへの歓びと幸福に、しだいに目覚めてゆく。エロスの極限と反社会的表現で物議をかもした異端の書を、倒錯文学の巨人・千草忠夫が畏敬の念を込めて翻訳。表題作他一編収録。
新訳 星の王子さま (文庫)
内容(「BOOK」データベースより)
「大人って、とても変だ」そう思いながら王子様は旅を続けた。“かつて子供だった”人のために書かれた永遠の名作。その「謎」を解く最も大胆な倉橋訳、待望の文庫化。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
サン=テグジュペリ,アントワーヌ・ド
1900年生まれ。フランスの作家、飛行士。第二次世界大戦、米国亡命中の43年に『星の王子さま』を出版。44年戦線に復帰し、7月31日、コルシカ島の基地から偵察飛行に飛び立ったまま消息を絶った
倉橋 由美子
1935年高知県生まれ。作家。大学在学中に『パルタイ』でデビュー。2005年6月10日他界(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
モンテ・クリスト伯〈7〉 (文庫)
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今も昔も復讐鬼の物語が人々の心を惹きつけてやまないのは、それが幸福と安寧に背を向けた人間の究極の姿だからであろう。世界の文学史上最も有名な復讐鬼、モンテ・クリスト伯。19世紀フランスの文豪、デュマが創造したこの人物もまた、目的を果たすごとに、底なしの泥沼へと一歩足を踏み入れていく。
本名、エドモン・ダンテス。マルセイユの前途有望な船乗りだった彼は、知人たちの陰謀から無実の罪で捕えられ、14年間の牢獄生活を送る。脱獄を果たし、莫大な財宝を手に入れたダンテスは、モンテ・クリスト伯と名乗ってパリの社交界に登場し、壮大な復讐劇を開始する…。
文庫本で7冊の大著である。物語に多少「できすぎ」の感もあるが、そんな懸念をすぐに吹き飛ばしてくれるほど波状に富んだ展開で、息をつく暇もなく読み通してしまう。フランス文学の大著といっても、机に向かって姿勢を正して読む、というよりは寝そべりながら読むうちについ夜更かししてしまう、というタイプの作品である。
何と言ってもこの小説の白眉は、伯爵の用意周到かつ執拗な復讐の過程である。着々と目的を遂行していく姿が、心理描写をいっさい排した文体で描かれ、後年のハード・ボイルド文学をも連想させる。
復讐の物語にハッピー・エンドはあり得ない。もしあるとすれば、主人公がどこかで「妥協」を見出す必要があろう。モンテ・クリスト伯が最後にどんな選択をするのかも、読みどころのひとつである。(三木秀則)